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閑話休題。私の経験を少し、 [ブログ]

参加型なら主婦の得意ワザ、と前回書いた。
もちろん実生活でのことが主体だが、ネットにおいても主婦だから面白くできることがたくさんある。
2001年のことだが、友人といっしょにファンサイトを作ったことがある。

海外ドラマファンが集まるサイトの掲示板で知り合って意見交換するうち、自分たちでサイトを作ることになった。
この時点で、大阪に住む彼女とは一度も会ったことはなかったし、電話で話したこともなかった。
それどころか個人的にメール交換したのさえ、このときが初めてだったが、ふだんから公開された場での書き込みを読んでお互いに「こいつなら大丈夫だろう」と思っていたらしい。まるで気の合うスタッフと仕事をするときのように話はどんどん進んだ。
彼女も私もパソコン通信時代からネットの海をぽちゃぽちゃと泳いできたが、仕事以外でのサイト構築は初めてだった。いわば主婦仲間で作った個人の趣味のサイトにすぎないのだが、私たちは「みんなで作る」ことにこだわった。

まず、掲示板に参加する人たちが自動的にサイトの作り手にもなれる参加型のシステムを作った。
たとえば出演作を網羅したレビューをサイトの主宰者ではなく、参加者が書く。海外の雑誌に掲載された記事を公開して、翻訳する人を募集する。
私たちが応援していた俳優は、あまり知られた人ではなく国内の雑誌にはまず出ていないが、e-bayあたりに貴重な写真が出てくることがある。掲示板参加者のなかから「お買い物部門」を名乗る人が代表で競り落としに行く。専業主婦なら時差があっても時間の融通がきくのである。会員制ではないのに、いつの間にか名簿もあった。掲示板の常連が勝手に「名簿係」に就任し、新しい書き込みをいちいちチェックしてくれたのだ。

こうして、のべ100人以上の主婦が(もちろん主婦でない人もいた)サイト構築に参加してくれた。
とはいえ、当時の状況ではそれらをいちいち編集してこつこつとサイトにアップするのは私たちである。自分たちだけでサイトを作る方がずっと楽だったとぼやきながら、けっこう面倒な作業を私たちは続けた。

「こういうのを日記みたいに自動的にアップしてくれるシステムがあればいいのに」(当時まだブログは一般的ではなかった)。
「間違いがあったら見つけた人が修正できて、いつも一番新しい情報が公開できるようなシステムならもっといいのに」(現在のウィキペディアのようなものを想像していた)。

私はこのサイトを「参加型・進行形・発展途上サイト」と呼んでいた。常に動いている。いつまでたっても完全形にはならない。情報は広がっていく。“Thanks for sharing”の一言とともに、一度公開した情報はどんどん一人歩きしていく。「これは私のもの」と所有にこだわる人には参加型は向かないかもしれない。しかし、こと主婦はこのことにあまり抵抗がないように思える。それはなぜだろう?(続く)


2006-10-24 18:17  nice!(0)  トラックバック(307) 
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