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共通点はたったひとつあればいい [ブログ]

保育園仲間とのつき合いが始まったとき、なんて楽なんだろう!と思った。

たとえば夕方のお迎えのとき、ばったり会うと挨拶の後すぐに「今日も残業だった、疲れた~」「寒くなってきたけどまだ半袖で大丈夫かな?」などと、いきなり実用的な会話が始まる。が、「おかえりなさ~い」という保育士さんの声と「お母さ~ん!」と飛びついてくる子供によって会話は途中で終わり、そのまま親子そろって「バイバ~イ」……そして翌朝子供を送ってきたときは再び、「おはよう」の後いきなり「今日も残業だよ、延長保育を頼んできたの」「もし遅れたらうちで預かるよ」「ありがとう、助かる!」というふうに続きが展開されたりして。
まるで携帯メールのように短い。なのに、必要にして十分。相手の時間を遮らない。その上ちゃんと温かいふれあいになっている。

個人的にはどんな人なのか全然わからない人たちと(「ママどうし」でなければふれあう機会さえなかったかもしれない人たちと)こんなテンポで会話が交わせるのは、私にとって衝撃的だった。
フリーランスが長かったこともあって、友人以外と話すときは敬語が当たり前になっていた私は、タメ口のここちよさ、みたいなものを保育園仲間とのコミュニケーションから実感することができた。

帰りにたまたま一緒になったお母さんが「ねえねえ、食パン残ってたからいっぱい買ってきたの、ひとつもらってくれる?」とママチャリ(自転車)の籠に突然パンを投げ込んでくれたことがあった。それで初めてパン屋さんで働いている人とわかった。
それまでは、相当親しい友人でなければこんな会話はなかなか考えられなかった。
もしかして今経験しているのはコミュニケーションの基本で、ネットワーク作りの原点で、余計なモノをそぎ落とした進化形かも…としみじみ思ったものである。

相手がどんな家に住み、どんな服を着て、どんな物が好きで、どんな経歴を持ち、どんな立場で、どんな価値観を持ち…どんな人生を生きているか。共通点がひとつでもあればコミュニケーションは成り立つし、無限に発展する可能性がある。
むしろ共通点はシンプルであればあるほど良い。
たとえば「小学生の母である」とか、「○○屋でいつも買い物をしている」とか、あるいは「ヨン様が好き」とかね。あ、ここでまた、何の関係もなさそうな単語=「ヨン様」が出てきたが、今回はとりあえず気にしないでください。 (続く)


2006-11-07 22:13  nice!(1)  トラックバック(288) 
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